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エアマットでも防げない踵褥瘡をいかに防ぐか!?(2026年5月10日更新)

まもりさん

踵の褥瘡はエアマットを使用しても防げないことがあるって本当ですか?

S先生

そうなんです…特に筋力が弱ったり、麻痺があって足がほとんど動かなくなったら、エアマットとは別に下肢の褥瘡予防が必要です

まもりさん

褥瘡予防はエアマットで万事解決!ではないんですね…

S先生

残念ながら、褥瘡予防はそんなに甘くはありません^^;
では、今回はなぜ踵の褥瘡はエアマットでも防ぎきれないか、どのように対策すればよいか、お話ししたいと思います。

実は踵褥瘡の予防法は、仙骨など臀部褥瘡の予防法とは大きく異なります
それを意識して対策しないと、踵褥瘡を十分に予防することはできません。しかも、詳細は後でお話ししますが、一度踵褥瘡を発生すると、高齢者は足の血流が悪い方も多いため、創は治らず痛みも強く、患者さんの生活の質を大幅に低下させてしまいます。さらに、感染を合併すれば最悪命にかかわったり、そこまでいかなくても足切断のリスクもあります
そのため、踵褥瘡の対策法を臀部とは別に十分に理解して実践することが大切です。
その方法について今回お話しするのですが、始めに一つ注意点があります。
踵の褥瘡予防は日常的にベッド上で過ごす時間が長い患者さんすべてに適応があるわけではありません。ベッド上で過ごす患者さん全員に行うと介護負担が大幅に増加し、介護士やご家族が疲弊する一因となってしまいます。
以下に、踵褥瘡予防を行った方がよいケースをお示しします。
踵褥瘡予防を行うことがおすすめのケース
① 麻痺などで下肢をほとんど動かせない
② 足の血流障害がある
(足先の冷感、足の白や紫調変化、足の温度や皮膚色に左右差がある、安静時に痛がる、足背の拍動触知困難、これらの一つでも該当すれば血流障害の可能性あり)
特にポイントとなるのは①です。もちろん②も大切ですが、どの程度足の血流が保たれているのかを、血流の評価に有用な検査であるABIや血管造影などで必ずしも評価してはいません。
②が分かりにくい場合でも、少なくとも足をほとんど動かさない場合には、これからお話しする踵褥瘡対策を行うことをおすすめします
※始めは下肢を動かせていても、サルコペニアなどで次第に足の動きが落ちることがありますので、定期的に足の可動の有無や、踵に発赤や水疱などがないか確認することをお勧めします。
目次

1 なぜ、エアマットでも踵褥瘡は防ぎきれないか?

実際の対策法の前に、踵がなぜエアマットを使用しても褥瘡発生のリスクがあるのか、についてお話します。それにはいくつかの原因があると思います。
その最も大きな原因の一つが“踵は突出している”ということです。
では、なぜ突出しているとエアマットを使用していても褥瘡のリスクがあるのか、それは下のイラストをみるとわかると思います。
踵のような突出が強い部位はエアセルが膨張しているときだけでなく、収縮している時も圧迫が持続してしまうのです(エアセルがわからない方は、"テーマ②エアマットの選び方"をご参照ください)。しかも、突出している分狭い面積に圧が集中してしまうのです。
つまり、エアマットを使用していても、踵は持続的な圧迫を生じやすく、褥瘡を発生するリスクがあるのです。
さらに踵などの四肢末端は、高齢者では閉塞性動脈硬化症などで血流が良くない方も少なくなく、そのような場合、臀部より弱い圧でも褥瘡を生じやすいのです。
その上、閉塞性動脈硬化症などにより足への血流が悪い場合、一度踵褥瘡を生じると創に酸素も栄養も十分には届かなくなるため、非常に治りにくい上に創の痛みも強く患者さんのQOLが大幅に低下してしまうのです。したがって、褥瘡が発生する前に対策することが大切です。

2 踵の褥瘡予防のポイントと注意点

では、どのように踵などの下肢褥瘡を予防すればよいのでしょうか?
その方法は非常にシンプルです。それは、
  • 下肢の下にクッションを入れて、踵を浮かせる
ということです。踵を浮かせて圧迫されないようにするのです。ただ、この踵を浮かせるということは簡単そうで実は奥が深いです。
以下に、踵を浮かせる際の注意点についてお示しします。
一つ目として、足の血流が悪い方では、少しの圧や姿勢変化でも虚血が悪化することがあります。踵を浮かせた後に痛みが増す、足先が冷たくなる/色が紫〜白っぽくなる場合は、一度クッションを外して元に戻し、当日中に訪問看護師や主治医に相談してください。

そしてもう一つ注意点があります。下の写真を見てください。
このようなコンパクトなクッションを下肢の下に入れると踵を浮かせることはできます。ただ、クッションの幅が狭いため、下肢の体重がクッションの接する狭い範囲に集中し、患者さんの不快感が高まりますし、クッションが当たるところに褥瘡を生じるリスクもあります
  • クッションによる圧迫は一転に集中させない。特にアキレス腱直下の圧迫は褥瘡を生じやすい
さらにもう一例。例えば上イラストのような介護用クッションを入れて踵対策をしたとします。
このクッションでは、横幅が狭いため少し動けば足が落ちてしまいます。さらに、ボリュームが少ないため踵と膝下(膝窩)が圧迫されています。これでは踵褥瘡予防として不十分ですし、もう一つ膝下が圧迫されると以下のような問題があります。
  • 膝下がクッションにより圧迫され続けると、膝下の血管や神経が障害を受けるリスクがある
    血管障害;深部静脈血栓症など
    神経障害:総腓骨神経麻痺により足首が曲がらなくなる
そのため、後述しますが下肢の下に入れるクッションは膝下が圧迫されていないかを確認することが大切です。

そして、もう一つのポイント、浮かせすぎにも注意です。踵の下に手のひらがギリギリ入る程度が目安。高く上げすぎると膝が反りかえって痛みが出たり、アキレス腱に負担がかかったり、血流が悪い場合痛みが悪化することがあります。

このように適切でないクッションを入れると、十分な踵部褥瘡予防にならないばかりか、踵以外に褥瘡を生じる可能性もあるのです。
では、下肢の下に入れるクッションはどのようなものがよいのでしょうか?

2-1 踵を浮かせるためのクッションで抑えるべきポイント

ここからは患者さんの不快感は最小限に、踵褥瘡の予防を行うためのクッションについて考えてみます。
そのクッションの最も基本となるポイントは
①クッションが固すぎず柔らかすぎない
→目安としてクッションを掌で押してみて、反発を感じ、底付きしないようなクッションを選ぶ
 OK:冬用の綿の掛け布団を畳んだもの、介護用のウレタンクッション
 NG:夏用の薄い座布団、硬い枕、ビーズクッション(つぶれて底付きしやすい)

②なるべくクッションが下肢の広範囲に接する
③踵とマット、膝下とクッションの間に手のひらが軽く入る程度のすき間がある
④股関節と膝関節が少し曲がる(良肢位)になるようなクッションの厚みにする(詳細は後述)
では、これらのポイントを満たすクッションをどのようにして利用するかみてみましょう。
まずは介護用品としてレンタル可能なクッションの利用を検討します。
例えば、ケープ社のロンボ ポジショニングクッションなど、弾力があり沈み込みすぎないクッションを利用してふくらはぎにクッションを入れ、踵を浮かすことが基本になります(押した手が"じわ〜"っと押し返される感じがちょうどよい硬さです)。
ただ、上のイラスト右側のようにクッションが一つだと下肢の体重がふくらはぎのクッションと接触しているところに集中したり膝が伸び切ってしまうことがあるため、特に末梢動脈疾患などがあり足の血流が悪い場合はクッションの圧迫で足の外側の腓骨部などに褥瘡を生じることがあります
除圧の基本は”広範囲に圧を分散”です。足の血流低下が疑われる場合は、上のイラストのように大腿部にもクッションを入れ圧を分散させた方が圧を分散できて、クッションの圧迫による褥瘡のリスクは減らせると思います
ただ、やっかいなのは足の長さや拘縮の度合いなど、下肢の形状はかなり個人差が大きいため、介護保険で利用できる下肢用のクッション1種類のみで、あらゆる下肢にフィットさせることは難しいです
ではどうするか…
一つの方法は上記のようにいくつかのクッションを重ねて

それは、”介護保険でレンタルできるクッションや家にあるものを組み合わせてオーダーメイドでクッションを作る”ことをご検討ください。
では、具体的にどのように行えばよいかみてみましょう。

個人的におすすめなのはめ
ただ、例えば下写真のよう不足です。
そのため、このケースではご家庭にあった冬用の綿の掛け布団をお借りして、それを6つ折りにし、下肢の下に入れることで、下肢と踵の褥瘡対策を行いました(どのくらい折り曲げるかは布団の厚みや下肢の形状により異なります。前述の条件を満たすクッションが完成したら、先ほどと同様に養生テープで固定すれば、ばらけにくくなります)。
このように、介護用クッションや家にあるもの(冬用の綿の掛け布団や枕)などを利用して、先ほどお話しした2つの条件を満たすクッションを作ることで、踵の褥瘡対策を行っています。ただ、このように適切なクッションができれば万事解決…というわけではありません。クッションを入れながらさらに考慮すべきことを次にお話します。

2-2 下肢のポジショニングに大切な良肢位とは

実は、下肢の下に入れるクッションについてもう一つの押さえてほしいポイントがあります。
それは、
良肢位(りょうしい)を意識してクッションを作る
ということです。
良肢位とは、ひとことで言えば「関節に無理がかからず、本人がラクに感じる姿勢」のことです。
なぜ、良肢位が大切か、もちろん患者さんの安楽に繋がることが一つですが、それは拘縮の予防にもつながると考えられているのです。
拘縮対策についての詳細はテーマ⑥拘縮予防でお話しているのでそちらを確認してほしいのですが、下肢が拘縮すると患者さんが楽な姿勢をとることが非常に難しくなりますので、拘縮を予防することも同様に大切になります。
では、拘縮対策や患者さんの安楽にもつながる良肢位とはどのような姿勢でしょうか?
それぞれの関節がどのくらいの角度になると良肢位になるのかを、上のイラストは示しています。
この中で下肢のクッションを入れる際に関係してくるのは股関節と膝関節で、股関節を10度、膝関節を20度くらい曲げた状態が良肢位になります(もちろん個人差はありますので、角度は個別調整が前提です。目安は“膝が曲がりすぎず、踵がマットから少し浮く、圧が一点に集中しない、ことが大切です。可能なら専門職に相談しましょう)。
では、下肢にクッションを入れた際に股関節と膝関節がおおよそ股関節を10度、膝関節を20度くらいになっているのをどのように確認すればよいでしょうか?
その一つの方法を下の写真に示します。
上の写真のようにマットから膝下までの距離が指を除いた手のひらの幅(上写真の黄色矢印)くらいになると股関節・膝関節が良肢位になっていることが多いと考えています(下肢の長さにより個人差はあります)。そのため、クッションがやや沈むことをふまえ、クッションの厚みは指も含めた手のひらくらいの厚みを持たせ(もちろん素材により異なりますので一応の目安)、股関節~踵より少し上に至るような幅のクッションを作成する(上写真参照)とよいと思います。

ただ、良肢位にすれば拘縮を完全に予防できるわけではありません
基本的に関節は同じポジションを維持し続ければその姿勢のまま固まってしまうリスクがあります。
よく見られるのがイラスト右上のように足関節が伸びた状態で拘縮(尖足)とイラスト右下のように股関節と膝関節が曲がった状態で拘縮してしまうことです。こうなるとさらに、本人も辛いですし、下肢が浮くことで踵がより圧迫されやすく、踵褥瘡や拘縮の悪化リスクが増します。
対策としては、同じ姿勢を維持しない、そのために関節の曲げ伸ばしを定期的に行うことが大切ですが、在宅でそこまでの余裕はないことが多いです。
そこで、最低限の対策をお伝えします。
それは、上記イラストのように①下肢の下にクッションを入れ踵褥瘡予防をする際は、足とフットボードの間のすき間を埋め、足底全体が触れるくらい大きいクッションを入れる(イラスト左側)、②1日1時間でも厚みの少なく横長のクッションをふくらはぎの下のみに入れることで関節を伸ばす(イラスト右側)、このような関節の曲げ伸ばしを定期的に行うことです(※前述のとおりこれは最低限の方法でこれだけでは十分に拘縮を予防できない可能性があります。詳細は”テーマ⑥拘縮対策”でお話ししています)。

このようにして、レンタルできる介護用クッションや冬布団などを駆使し、患者さんに適したクッションを作成することで患者さんの安楽を保ちながら踵の褥瘡対策を行います。

ここまででもかなりボリュームがありましたが、最後にもう二点ほど、クッションについて押さえてほしいポイントがありますので、次にお話します。
実際これらの条件を満たすクッションを作るのはなかなか骨の折れる作業です。特にすでに拘縮している患者さんは一筋縄ではいかないことが多々あります。
具体的なクッションの作り方はYouTubeの中で動画解説していますので、参考にしてみてください

3 下肢にクッションを入れることで新たな褥瘡発生??(クッションによる弊害とその対策)

3-1 下肢にクッションを入れると持続的な圧迫が生じ褥瘡発生のリスクがある?

すでに”テーマ①褥瘡予防の基本”を見ていた方は疑問に思った方がいるかもしれません。
”持続的な圧迫が加わると褥瘡ができるはずなのに、下肢にクッションを入れたら持続的な圧迫を生じてしまうのでは???”
それは事実です。ただ、持続的圧迫でも体幹部の重みが仙骨の突出にかかる圧に比べると、体幹に比べて軽い下肢の体重が、クッションを入れて下肢全体に分散されることで生じる圧は、重い体幹の圧が集中しやすい臀部ほど強くはありません
そのため、皮膚を栄養する毛細血管が潰れない程度の弱い圧であれば、圧が持続しても皮膚には酸素も栄養も届くため、褥瘡リスクをある程度抑えることができると思われます。
ただ、ずれが加わったり、血流が悪いと弱い圧でも褥瘡は起こりえます。『弱い圧だから大丈夫』ではなく、『弱い圧でも長く続けば要注意』と考えることが大切です
そのため、後述しますが、下肢の下にクッションを入れることで褥瘡発生しやすい腓骨など骨突出部に1度褥瘡(持続的発赤 下記参照)や踵の水疱など、褥瘡の発生がないかを体位変換の度に確認することが大切になります(1度褥瘡など初期の褥瘡対応についてはテーマ⑧1度褥瘡を見逃さない参照)。
では、次にクッションを入れることによる褥瘡発生を最小限にするための対策について考えてみます。

3-2 下肢の下に入れるクッションで褥瘡発生するリスクとその対応

実は、末梢動脈疾患などで血流が悪い患者さんでは弱い圧でも下肢に褥瘡を発生するリスクがあります。特に、股関節が外旋している(がに股)の場合、クッションの圧迫により下腿外側の突出の強い腓骨部に褥瘡を発生することが散見されます(下のイラスト参照)。
下のイラストのように膝頭や足先が外側に向いていれば、がに股と考えてよいと思います。
では、なぜがに股になっていると腓骨部に褥瘡を生じやすいのか、下の写真を用いてもう少し詳しくお話しします。
上図左側のように、左下肢股関節が外旋している場合、右30度側臥位で寝ていても、左下腿の腓骨部が圧迫を受けます(黄色破線)。すると、次に左30度側臥位に体位変換した際には、当然左下腿の腓骨部は圧迫を受けるため、持続的圧となり褥瘡発生のリスクになってしまうのです。
その対策として上図右側のように、右30度側臥位では、左臀部~左大腿部まで接するような大きさのクッション(赤破線)を踵の褥瘡予防として両下肢の下に入れるクッションのさらに下に入れ、左下肢が内旋するようにします(青矢印)。すると、左下腿の腓骨部がクッションに圧迫されにくくなるため、持続的な圧が解除されます(ただ、それでも圧迫されていることがあるため、実際に腓骨にクッションが触れていないこと、突出部に持続的な発赤がないかを確認することが大切です)。
ちなみにO脚は両下肢で生じていることが多いため、左30度側臥位では、逆に右臀部~大腿部にクッションを入れて右下腿外側の腓骨部に対する褥瘡予防も行います

3-3 下肢の下に入れるクッションで褥瘡を生じないためのクッション作りのポイント

では、下肢に入れるクッションづくりの注意点・課題点とその対策法について、改めていくつかの補足点を加えてまとめます。
下肢の下に入れるクッションの押さえるべきポイント まとめ(私見)
クッションの硬さは掌で押してみて、硬すぎず柔らかすぎない(押さえると反発を感じ、底付きしない)クッションを選ぶ(介護用のクッションや綿の冬用掛け布団などを利用)
クッションが太もものつけ根~踵直上まで下肢のなるべく広範囲に接する
踵とマット、膝下とクッションの間に手のひらが入る程度のすき間がある
④良肢位を意識し、膝下が指を除いた手のひら分くらいマットから高くなるようなボリュームのクッションにする(1枚でボリューム不足の場合はいくつかのクッションを重ねる)

股関節の外旋(がに股)になりやすく、特に30度側臥位で上になる下肢の腓骨部が圧迫されるようであれば、上になる臀部~大腿部の下に下肢を内旋させるようなクッションを入れる(3-2参照))
⑥おむつ交換などで下肢に入れたクッションを外す際に形が崩れてしまう場合は、養生テープなどで固定する

⑦便などで汚染される心配がある場合は、大きなビニール(70Lのごみ袋など)でクッションを包み、さらに蒸れにくいように、患者さんに触れる最表面はタオルや通気性のよいカバーで覆う
ぜひ、これらの問題点を対策しながら、適切に踵褥瘡予防をしていきましょう!

ちなみに拘縮がある場合は、複数個のクッションを駆使して両下肢を除圧する必要があり、さらにひと工夫必要ですので、以下のYouTubeも参考にしてみてください。

まとめ

では、最後にまとめです。
踵褥瘡はエアマットだけでは予防できない可能性がある(特に㋐下肢を動かせない、㋑下肢の血流が悪い場合)
踵の褥瘡対策としては下肢の下にオーダーメイドのクッションを入れる。クッションのポイントは
 1 クッションは硬すぎず柔らかすぎないものを選ぶ(掌でクッションを押して反発を感じる)
 2 クッションが下肢のなるべく広範囲に接する
 3 踵とマット
、膝下とクッションの間に手のひらが入る程度のすき間がある

 4 良肢位を意識する
③血流が悪かったり、やせていたりがに股による骨の突出があると、下肢に入れるクッションによる圧迫で褥瘡を発生するリスクがある

※ただ、総じてクッションを入れないよりは褥瘡発生リスクを軽減できることが多い印象(私見)
 →定期的な体位変換(左右30度側臥位)や3-2で解説したクッションの追加などで対策
冒頭でもお伝えしましたように踵褥瘡は一度作ってしまうと、とくに血流が悪い場合など痛みが強く傷も治りにくいため、患者さんに大きな不利益となってしまいます実際に、創が黒色化、急速な腫れ/熱感/強い痛み、発熱、膿・悪臭、赤みの急拡大、足先の冷感/紫色、安静時痛などがみられた場合は当日中に主治医へ連絡してください。
そして、ここまで読んでいただいて想像できると思いますが、下肢の下に適切なクッションを入れることは、意外と難しいです。大切なのは、まとめに書かれているような適切なクッションのポイントを押さえた上で、実際に家にあるものや福祉用具でレンタルできるクッションを利用し、時にそれらを組み合わせたりして、試行錯誤することが大切だと思います。”習うより慣れろ”です。
ぜひ、必要な患者さんがいましたら”下肢を動かせない患者さんへのクッション作り”、始めてみてください。そして、クッションを入れた後には、持続的な発赤、水疱、強い痛み、熱感・腫れ、膿や悪臭、発熱、足先が冷たい/紫色、安静時痛などがないかを定期的に確認し、気になることがありましたら速やかに主治医に相談しましょう。

※本記事の内容は、皮膚科専門医の臨床経験とガイドラインに基づく目安です。個々の患者さんの状態により異なる場合がありますので、最終的な判断は担当医や主治医にご確認ください
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